さやいんげんは江戸期に煎茶道を日本に広めた隠元禅師が中国から持ち込んだと言われている野菜です。煮物に添えたり、胡麻和えにすることが多いです。
茹で加減によって味わいが大きく変わるため、茹で方がポイントです。茹ですぎると食感が失われ、逆に茹で方が足りないと青臭さが残ってしまいます。程よく茹でることで、いんげんならではの歯ざわりと風味が引き出されるのです。必ず茹でている最中に、食べてみて確かめましょう。
茹でる前には軸を取り、沸騰した湯に塩をひとつまみ加えます。また、いんげんには表面に細かい産毛があるため、箸などで軽く動かし、湯の中で「泳がせる」ようにすることで、産毛の間に空気が溜まらず、均一に火が入りやすくなります。
いんげんを和え物に使うときに大切なのが、茹でた後の処理です。気あげ(きあげ)※という方法を使います。これは、茹で上げたさやいんげんを冷水に取らず、ざるに上げて自然に冷ます方法です。余分な水分を吸わせないことで、水っぽさを防ぎ、和え物にした際にも味がぼやけにくくなります。食感や風味を生かすための、日本料理ならではの工夫のひとつです。
また、いんげんの穂先は品種によって硬いものもあるので、実際に食べて確認しながら使い分けます。茹でても穂先が柔らかくならない場合は、穂先を切ってしまってもいいでしょう。柔らかければ穂先を残して盛り付けることで、見た目にもいんげんらしい美しさが生まれます。
5月の本科のお稽古ではいんげんの胡麻みそ和えを作ります。茹で方や、美味しい胡麻みその衣の作り方をお教えします。


