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7月ートビウオ【飛び魚】

夏が旬のトビウオ。

暑い頃、船で海に出て舳先から見ていると、船と同じほどの速さで飛びながら泳ぐ魚が見えます。それがトビウオです。グライダーのように羽を広げて100から120メートルほどの長い距離を飛ぶこともできます。

トビウオは飛ぶために胸ビレと腹ビレが大きく発達し、ひれを支える骨の部分も大きいことから、おろすときにはその大きなヒレと骨を切り落とす必要があります。

身はとても淡白な味で、鮮度がよければ刺身にもなりますし、つみれや焼き物など、幅広く使うことができます。また、骨からも良いだしがとれます。あごだしはこのトビウオからとれるだしのことを指しています。

鮮度が良いトビウオがあるときは、皮をつけたまま炙って、今の時期の野菜と共に、すだちなどの柑橘類と和えて膾にすると美味しい季節の一品のできあがりです。

著者

近茶流宗家 柳原料理教室 主宰
博士(醸造学)

東京・赤坂の柳原料理教室で、日本料理、茶懐石の研究指導にあたっている。

NHK大河ドラマなどのテレビ番組の料理監修、時代考証も数々手がける。 2015年文化庁文化交流使、2018年農林水産省日本食普及の親善大使に任命され、世界へ日本料理を広める活動を行う。

ライフワークは江戸時代の食文化の研究と日本料理・日本文化の継承、そして子ども向けの和食料理本の執筆・講義を通した子どもへの食育。