春の七草の一つとして古くから親しまれているセリは、香りが高く食感がいいのが特徴で、寒い冬から春にかけて、お浸しや和え物、鍋料理などに使われます。
セリは日本各地の郷土料理でも欠かせない存在です。秋田の「きりたんぽ鍋」は、比内地鶏の出汁に円筒状に焼いたご飯(きりたんぽ)を入れる料理で、香り高い三関セリときりたんぽを一緒に味わうのがこの鍋の楽しさです。秋田の三関で作られるセリは、絡み合うほどに立派で白い根が特徴で、この根の部分も鍋に入れることで、独特の香りと食感がごちそうになります。金沢の「治部煮(じぶに)」には、加賀野菜の一つである「諸江(もろえ)せり」が入ります。細く繊細で華奢な見た目が特徴で、金沢の伝統的な煮物である治部煮には必ずと言っていいほど添えられます。
3月のお稽古では「せりの胡麻和え」を作ります。香りの強いせりと黒ごまの和え衣は相性がとても良いです。セリだけだと食感が硬いので、茹でたほうれん草と一緒和えることがポイントです。この料理は、本来は軸が短く香りの強い自生の田せりを使いますが、最近では田せりが手に入りにくくなっているので手に入りやすい水耕栽培のせりでも美味しくいただけます。

