サザエは海水温が上がってくる4月、5月ごろから多く出回る代表的な巻貝です。海水温が上がるこの時期にサザエの活動が活発になり、漁獲量が増えるのです。
昔は多くのサザエが海人さんによって岩から捕られていました。現在でも、千葉の外房や伊勢、北陸などの一部地域では海人さん文化が残っています。
海の流れや波の強さの影響で、サザエの形状は産地によって異なります。千葉の外坊など波が強い地域では、サザエが流されやすいため、岩にしっかりと留まって流されることがないように殻に大きな角がついています。一方、瀬戸内など穏やかな海域のサザエは、殻に角がないものが多いのです。
サザエの代表的な料理法はつぼ焼きです。殻から取り出したサザエの身を細かく切り、味つけをしただしと白滝や椎茸などの具とともに殻の中に戻し入れて、殻ごと直火にかけて食べる料理です。殻の外側が焼けることで、磯の香りがフワッと広がり、風味が増します。