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2月ーかんたまご【寒卵】

これから節分を迎え、やがて春を迎えます。

年が明けてから節分までの間は、二十四節気で「小寒」「大寒」と呼ばれる、いちばん寒さが厳しくなる時期です。一方、寒鱈、寒鰤、寒しじみなど、名前に「寒」がつく食材は脂がのり、甘みが増すため、この時期においしい食材が豊富に揃います。

そんな中、卵にも旬があり、「寒卵」という言葉が生まれました。

鶏は毎日卵を産むイメージがありますが、実際に産む数は1年でだいたい300個ほどだそうです。ところが、冬の寒い時期は卵を産む数が減る傾向にあります。昔の人は、卵を産む間隔があくことにより、卵の中に滋養が凝縮されるのではないかと考えました。そこから「寒卵」という呼び名、そして卵の“旬”という発想が生まれたようです。

ただ、一度岐阜の孵卵場の方にお話を伺ったところ、生む間隔が空いても成分はまったく変わらないとのことでしたが・・。

料理教室の2月のお稽古では、寒の時期においしい食材を使った献立を学びます。なかでも、寒卵を使った茶碗蒸しは、寒い季節にいただくとホッとする一品です。卵と出汁の分量比率や食材の下ごしらえ、蒸し方など、プルンプルンに仕上げるためのコツを学びます。

著者

近茶流宗家 柳原料理教室 主宰
博士(醸造学)

東京・赤坂の柳原料理教室で、日本料理、茶懐石の研究指導にあたっている。

NHK大河ドラマなどのテレビ番組の料理監修、時代考証も数々手がける。 2015年文化庁文化交流使、2018年農林水産省日本食普及の親善大使に任命され、世界へ日本料理を広める活動を行う。

ライフワークは江戸時代の食文化の研究と日本料理・日本文化の継承、そして子ども向けの和食料理本の執筆・講義を通した子どもへの食育。