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しもふり【霜ふり】

肉、魚、野菜などの素材を、さっと熱湯に通し、アクや余分な水分を除き、味のふくみを良くするための下ごしらえ。

歴史的には江戸時代から使われるようになり、それ以前は「湯白める」「湯引き」と呼ばれていた。もとは、ザルにのせた魚にさらしを被せ、その上から熱湯をかけて全体が白くなったら、冷水でしっかりと冷まし、布巾などに包んで水気をとる技法のことを指していた。魚の表面に熱湯をかけた瞬間に、皮目が浮きたって表面がさーっと白く変わる様子が、まるで紅葉の葉に初霜が降りたように見えることから生まれた言葉。

現代では素材の表面を白くすること以外にも、湯の代わりに火を使ってあぶる「焼霜」や、脂が綺麗に入った牛肉を「霜ふり肉」と呼ぶように、「霜」「霜ふり」の言葉が使われている。

著者

近茶流宗家 柳原料理教室 主宰
博士(醸造学)

東京・赤坂の柳原料理教室で、日本料理、茶懐石の研究指導にあたっている。

NHK大河ドラマなどのテレビ番組の料理監修、時代考証も数々手がける。 2015年文化庁文化交流使、2018年農林水産省日本食普及の親善大使に任命され、世界へ日本料理を広める活動を行う。

ライフワークは江戸時代の食文化の研究と日本料理・日本文化の継承、そして子ども向けの和食料理本の執筆・講義を通した子どもへの食育。