だいこんのしたゆで【大根の下茹で】

大根をおいしく仕上げるための、昔ながらの下ごしらえとして知られているのが、米の溶き汁(古くは「白水」と呼ばれました)を使った下茹でです。

大根は他の野菜に比べて酵素が多く、加熱の過程で独特の臭みが出やすい性質があります。米の溶き汁で下茹ですることで、このアクや臭みが抜け、やわらかく甘みのある仕上がりになります。また、煮崩れを防ぐ効果もあります。

調理の際は、大根の皮をやや厚めにむき、米の溶き汁に入れて冷たい状態から火にかけます。ゆっくりと温度を上げていくことで大根の酵素が働き、自然な甘みが引き出されます。沸騰したら火を弱め、そのまま静かに温度を保ちながら下茹でします。これを「湯止め」といいます。

米の溶き汁がない場合は水に少量の米粒を入れて同じように下茹でするといいでしょう。ただ、米の溶き汁を使う方が米を無駄にすることなく、よりまろやかに仕上がります。

下茹でした大根は、そのまま水に浸した状態で冷蔵庫に入れておけば、数日間保存することもできます。こうして下ごしらえをしておくことで、より味のしみ込みがよく、おいしい煮物やおでんに仕上げることができます。

著者

近茶流宗家 柳原料理教室 主宰
博士(醸造学)

東京・赤坂の柳原料理教室で、日本料理、茶懐石の研究指導にあたっている。

NHK大河ドラマなどのテレビ番組の料理監修、時代考証も数々手がける。 2015年文化庁文化交流使、2018年農林水産省日本食普及の親善大使に任命され、世界へ日本料理を広める活動を行う。

ライフワークは江戸時代の食文化の研究と日本料理・日本文化の継承、そして子ども向けの和食料理本の執筆・講義を通した子どもへの食育。

近茶流 柳原料理教室ホームページ
https://www.yanagihara.co.jp